米国株投資のメリット、デメリットについて
今回は「なぜ米国株に傾倒しているのか」と質問をいただきましたので、改めて米国株投資のメリット、デメリットについて私独自の観点も織り交ぜながらまとめていきます。
米国株投資のメリット
①世界一の軍事大国
いきなり株と関係ない話題に思えますが、私は米国株投資をする上でこの点が一番大事だと思っています。
言わずもがな、アメリカは世界一の軍事大国で、2位の中国のおよそ3倍、3位のインドのおよそ10倍と、巨額の予算で軍事面を拡充しています。
※引用元:世界の軍事費 国別ランキング・推移 – Global Note
軍事力が高いということはそれだけ他国への潜在的な抑止力(軍事面、経済面、外交面等)があると言えます。外交のカードであったり経済戦争のカードとして露骨にチラつかせることは無いと思いますが、「アメリカには敵わない」という潜在意識が世界中の国々にある状況が、経済面でもアメリカ一強の立ち位置を作り上げていると思います。
今は中国も急速に軍拡していますが、もしもパワーバランスが変わるようなことがあれば世界経済も大きく変わることでしょう。
②米ドル
これも言わずもがな、世界の基軸通貨はもちろん米ドルで、アメリカは米ドルを発行できる唯一の国です。
通貨ごとの取引シェアを見てみると米ドルが45%程のシェアを持っており、他の通貨と比べて圧倒的な流通量を誇ります。
※引用元:通貨の取引量が多いのはどの通貨? | OANDA FX/CFD Lab-education(オアンダ ラボ)
米ドルを制御しているのはアメリカなので、仮にアメリカが経済的に不利な状況に陥ったとしても流通量を制御したり金利を操作したりすることで自国の有利に持っていくことが出来ます。もちろん信用に関わるのでなかなかそんなことはしないとは思いますが、そういうカードがあるというのは潜在的な強みであると言えます。
③英語
これも言わずもがな、世界共通語は英語でありアメリカは英語が公用語です。
母語話者数では中国語が一位、英語が二位ですが、第二言語を含めると英語人口は15億人で世界で最も多いです。
※引用元:
ネイティブに英語が使えることによって、世界中へのビジネス展開が容易であったり、プログラミング言語も英語で学習スピードが早い等、メリットはたくさんあります。
また、第二外国語を覚えなきゃいけないという義務感やそこに脳を割く必要もないので、私達日本人が「英語を学ばなきゃ」と常々思っていることがさっぱり無いわけですね。そのため純粋にビジネスに集中できるというのも大きなメリットです。
アメリカをライバル視しているであろう中国も、今現在力を入れているプログラミングに使用しているのは英語ベースの言語になります。ここでもスタートラインが大きく異なっていて、追いつくことが難しい要因の一つだと思います。
④高い人口成長率
日本は既に人口減少国になっていますが、アメリカの人口は今後も増加を続ける見込みです。
※引用元:
https://population.un.org/wpp/Graphs/DemographicProfiles/Line/840
人口は需要の源泉であり経済活動の根幹を成します。今後も経済発展していくことが予想されます。
⑤研究開発
主要国の論文数の推移を見るとアメリカが一位です。※データが古く、最新の情報では中国が一位になった模様です。
かの産業革命やインターネットを始めとして、技術の進歩は経済発展の源泉です。※技術の進歩が目覚ましい中国も投資先の一つとして必要だと思います。
⑥その他
その他にも米国株投資のメリットはたくさんありますが、数が多いので箇条書きで上げていきます。
・株主重視の企業が多い
米国企業は企業が得た利益を株主に還元する意識が日本企業よりも強く、株主に対して配当や株価で還元する姿勢が強いです。日本企業と比べて連続増配銘柄も多いです。
・値幅制限(ストップ高、ストップ安)がなく、株式の流動性が高い
株式の流動性が高いので、1日で株価が2倍になったりします。暴落リスクもあるといえるので一概にメリットとみなせるかは微妙ですが、流動性が高い市場には資金は集まりやすく、株式の値上がりにもつながるかと思います。
・1株から購入可能で少額から参入が可能
少ない資金で投資が可能ですので、個人投資家からの買いも誘いやすく、株価高騰に繋がりやすいです。
・配当金支払いが年4回の企業が多い
日本の企業は配当が半年に一度や年一度が多いですが、米国企業は4半期に1度という企業がほとんどです。その分再投資回せる資金を早く入手できるので複利効果を得やすいです。
米国株投資のデメリット
①割高
上記のようなたくさんのメリットがあるため、どうしても米国株は割高になりがちです。各国のPER(時価総額/利益)を比較して割高感を探ってみても、米国は上から7番目の高さで割高です。
■2020/12時点のPER(時価総額/利益=株価収益率)
※引用元:世界各国のPER・PBR・時価総額 (毎月更新) - myINDEX
②情報が少ない
米国株の情報は日本語のメディアではまだまだ少ないです。英語ができるようになればデメリットではなくなりますが、そうは言ってもなかなか難しいのが現実です。今はGoogle翻訳でページまるごと翻訳できたりもするので、そのようなツールを積極的に使って情報を見つけに行くことも大事だと思います。
③為替リスク
外国企業へ投資する上では必ずつきまとうのでしょうがないですが、ドル-円と通貨を行き来しますので為替変動のリスクがあります。
円が安いときに買って、円が高いときに売った場合はその分損します。例えば1ドル110円のときに1ドルの株を1株買い、1ドル100円のときに1ドルの株を1株売ると10円損します。逆もしかりで得する場合もあります。
為替リスクを理解した上で円建て資産以外も外国通貨を持つことは資産の分散の観点で大事だと思います。円が毀損するリスクも有るため、ポジティブに考えればデメリットでは無くなると思います。
④対外赤字
アメリカの対外純資産は世界で最も大きくマイナスとなっています。
※引用元:【図解・経済】主な国・地域の対外純資産(2018年5月):時事ドットコム
基本的にドル建て債務なのでアメリカ視点ではどうとでもなるのかもしれないですが、いつかリスクが顕在化する可能性も考えておいたほうが良いかもしれません。
⑤配当金に対する二重課税
日本に居住しながら米国株の配当を受け取る人は、日本の課税率である20.315%の税金がかかり、さらに米国で10%の源泉徴収が行われます。税率は合計で30%近いです。
二重課税は確定申告で外国税額控除制度を利用することで米国の10%の源泉徴収分の税金をその年に納めるべき所得税から差し引くことができます。確定申告する分にはデメリットにはなりませんが、意外と知らない方が多い印象ですのでご注意願います。
まとめ
上記に上げたメリット・デメリットを踏まえて私は米国株投資を中心として考えています。
もちろん米国株は今後も安泰、と胡座をかくのはよくありません。中国に首位を奪われたり、今後大きく成長が予想されるインドやインドネシア、ベトナム等に資金が逃げて米国株市場が大暴落するリスクもあります。また、中国等との経済戦争、軍事衝突のリスク等、懸念すべきことはたくさんあります。大事なのはこれらを理解した上で分散投資することかと思います。
今は昔と比べて米国株投資のハードルが低くなっていますので、これを機にまだ初めてない方は初めてみるのはいかがでしょうか。
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